【茨城県】カッパ松

カッパ松 茨城県牛久市
ようかいかんこうスポット

一般向け かんじすくなめ こどもむけ

むかしむかし、牛久の里の大きな沼での話です。沼にはいたずら好きなカッパが棲んでいて、いつもいつも村の人たちに迷惑をかけていました。
沼の近くで遊んでいる小さな子供を見つけては、足を引っ張って沼の中に引きずり込もうとしたり、畑の野菜を勝手に食べて荒らしたり。おまけに魚を獲る網を破いてしまったり。

一度や二度ではなく、毎度の話だったので、村の人も腹が立って仕方ありません。
「またカッパのやつにやられてしもうた」
「うちもじゃ。丹精込めて育てたキュウリがみんな食われたぞ」
「困ったのう」
村の人は顔を合わせると、こうしてカッパの話をするのでした。

そこで村で一番の力持ちの彦右衛門(ひこえもん)が、奮起してカッパをこらしめることになりました。
まずはカッパを見つけねばなりません。彦右衛門は村のあちこちを歩き回り、ようやく沼のほとりで寝ているカッパの姿を目にしました。
「おお、いたぞいたぞ」
彦右衛門がカッパに飛びかかります。
長い時間の争いの末、カッパを生捕りにすることができました。

彦右衛門はカッパを縄でぐるぐる巻きにして、そばの大きな松の木に身体をくくりつけました。さんざん暴れたカッパも、さすがに手足を縛られてしまっては身動きすることもできません。
「どうじゃ? もう動けまい。少しは自分がしたことを反省するんだな」
彦右衛門はこう言うと、カッパをほったらかして家に帰ってしまいました。

カッパは三日三晩もの間、ずっと縛り付けられたまま。おまけに季節は夏。強い日射しのせいで、カッパの頭のお皿も乾いてしまいます。すっかり弱ってしまったカッパは、大声で泣いて赦しを乞いました。
「助けてくれよう。もういたずらはしないよう」

日射し

カッパがあまりに大きな声で泣くものですから、彦右衛門も少しカッパが可哀想に思えて来ました。
「そろそろ許してやるかのう」
カッパがもう二度といたずらをしないと約束したので、彦右衛門は松の木に括りつけられていた縄をほどいてやりました。
カッパは涙を流して詫びを重ね、沼へ帰って行きました。

それからというもの、村では沼のそばで遊んでも、子供が足を引っ張られて沼に引きずり込まれることはなくなりました。畑のキュウリを食べられることもありません。網も破られないので、漁師も一安心です。

こうして村に静かな日々が戻って来ました。それ以降、カッパが括りつけられた大きな松の木は「カッパ松」と呼ばれ、村で語り継がれるようになったのだそうな。

むかしむかし、牛久(うしく)の里の 大きな「ぬま」での話です。「ぬま」には いたずらずきなカッパが すんでいて、いつもいつも村の人たちに めいわくをかけていました。
「ぬま」の近くで あそんでいる小さな子どもを 見つけては、足をひっぱって 「ぬま」の中に ひきずりこもうとしたり、はたけのやさいを かってに食べて あらしたり。おまけに さかなをとる あみをやぶいてしまったり。

一どや二どではなく、まいどの話だったので、村の人も はらが立って しかたありません。
「またカッパのやつに やられてしもうた」
「うちもじゃ。たんせいこめて そだてたキュウリが みんな食われたぞ」
「こまったのう」
村の人は かおを合わせると、こうしてカッパの話を するのでした。

そこで村で一ばんの 力もちの彦右衛門(ひこえもん)が、ふんきして カッパをこらしめることになりました。
まずはカッパを 見つけねばなりません。ひこえもんは 村のあちこちを あるき回り、ようやく「ぬま」のほとりで ねているカッパのすがたを 目にしました。
「おお、いたぞいたぞ」
ひこえもんが カッパにとびかかります。
ながいじかんの あらそいのすえ、カッパを いけどりにすることが できました。

ひこえもんは カッパを「なわ」で ぐるぐるまきにして、そばの大きなマツの木に からだを くくりつけました。さんざんあばれた カッパも、さすがに手足を しばられてしまっては みうごきすることも できません。
「どうじゃ? かんねんしたか。少しはじぶんが したことをはんせいするんだな」
ひこえもんは こう言うと、カッパをほったらかして 家にかえってしまいました。

カッパは みっかみばんもの間、ずっとしばりつけられたまま。おまけに きせつはなつ。つよい日ざしのせいで、カッパのあたまのおさらも かわいてしまいます。すっかりよわってしまったカッパは、大ごえでないて ゆるしをこいました。
「たすけてくれよう。もういたずらは しないよう」

日射し

カッパがあまりに 大きなこえで なくものですから、ひこえもんも 少しカッパが かわいそうに おもえてきました。
「そろそろ ゆるしてやるかのう」
カッパがもう二どと いたずらをしないと やくそくしたので、ひこえもんは マツの木に くくりつけられていた「なわ」を ほどいてやりました。
カッパはなみだをながして わびをかさね、「ぬま」へかえって行きました。

それからというもの、村では 「ぬま」のそばで あそんでも、子どもが 足をひっぱられて 「ぬま」に ひきずりこまれることは なくなりました。はたけのキュウリを 食べられることも ありません。あみも やぶられないので、りょうしも ひとあんしんです。

こうして村に しずかなひびが もどってきました。それいこう、カッパが くくりつけられた 大きなマツの木は「カッパマツ」とよばれ、村でかたりつがれるように なったのだそうな。


むかしばなしの舞台へでかけよう

魚雲亭

魚雲亭

牛久沼近くにある画家・小川芋銭(おがわうせん)の住居兼アトリエ。特に河童の絵を多く残したことから「河童の芋銭」として知られています。そばには河童の碑が建てられています



よみ うんぎょてい
住所 茨城県牛久市城中町2690-3
電話 029-871-2301(牛久市生涯学習課)
時間 4月~9月 9時~17時、
10月~3月 9時~16時
休み 月曜、年末年始
料金 無料
その他 ※館内の見学は土曜、日曜、祝日のみ実施

画像引用:牛久市文化芸術課様(http://www.city.ushiku.lg.jp/page/page000312.html)

むかしばなしを地域からさがす

東日本 北海道・東北地方 関東地方 中部・東海・北陸地方 西日本 関西地方 中国・四国地方 九州・沖縄地方

こちらもチェック