【埼玉県】弘法大師のごまぼたもち

弘法大師のごまぼたもち 埼玉県戸田市
ふしぎ

一般向け かんじすくなめ こどもむけ

むかしむかし、弘法大師さまという偉いお坊さんが日本中旅をしておりました。埼玉県の戸田(とだ)という町を通りかかったときに、あるお百姓さんの家に立ち寄られました。

偉いお坊さんがわざわざ来てくれたということで、お百姓さんは弘法大師さまに、美味しい美味しいぼたもちをこしらえてご馳走しようと思いつきました。
けれどもあいにく、その年は不作でぼたもちに使う小豆がありませんでした。

小豆はないが、胡麻なら用意できたので、すり鉢を使って胡麻をすりすり、ごまぼたもちをこしらえます。
弘法大師さまはこのごまぼたもちを喜んで、たくさん食べました。

それ以降、このあたりでは小豆のぼたもちだけでなく、ごまぼたもちも作られるようになったのだそうな。

弘法大師

また別の折、日照りのころに、やはりこのあたりのお百姓さんの家に立ち寄られた弘法大師さま。家の前にいたおばあさんに声をかけました。

「おばあさん、すまないが喉が渇いて渇いて困ってます。水を一杯くださらんか」

しかしおばあさんは、弘法大師さまの粗末な身なりを見て、貧しい坊さんに施すなんてまっぴらご免だと、
「悪いが、うちには飲める水なんてありゃせんよ」
と言い放ったのです。

弘法大師さまが立ち去った後、そのお百姓さんの家の井戸は水が枯れてしまい、本当に飲める水がなくなってしまったのだそうな。

むかしむかし、こうぼうだいしさまという えらいおぼうさんが 日本じゅう たびを しておりました。埼玉県(さいたまけん)の 戸田(とだ)という町を とおりかかったときに、ある おひゃくしょうさんの家に 立ちよられました。

えらいおぼうさんが わざわざ 来てくれたということで、おひゃくしょうさんは こうぼうだいしさまに、おいしいおいしい ぼたもちをこしらえて ごちそうしようと おもいつきました。
けれどもあいにく、その年は ふさくで ぼたもちにつかう 「あずき」がありませんでした。

「あずき」はないが、「ごま」なら よういできたので、すりばちをつかって 「ごま」をすりすり、ごまぼたもちを こしらえます。
こうぼうだいしさまは このごまぼたもちを よろこんで、たくさんたべました。

それいこう、このあたりでは 「あずき」のぼたもちだけでなく、ごまぼたもちも 作られるように なったのだそうな。

弘法大師

またべつのおり、日でりのころに、やはりこのあたりの おひゃくしょうさんの家に 立ちよられた こうぼうだいしさま。家の前にいた おばあさんに こえをかけました。

「おばあさん、すまないが のどがかわいて かわいてこまってます。水をいっぱい くださらんか」

しかしおばあさんは、こうぼうだいしさまの そまつなみなりを見て、まずしいぼうさんに ほどこすなんて まっぴらごめんだと、
「わるいが、うちには のめる水なんて ありゃせんよ」
と言いはなったのです。

こうぼうだいしさまが 立ちさったのち、そのおひゃくしょうさんの 家の「いど」は 水がかれてしまい、ほんとうに のめる水が なくなってしまったのだそうな。


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